フランチャイズ契約は、未経験であっても手軽に開業を行う事ができる為、多くの方が利用する契約です。
ですが、たとえ未経験であろうと事業主である事に変わりはありませんから、契約に対する知識がないまま締結してしまうと、後々大きなトラブルとなってしまいます。その為、契約にあたっては事前によく確認を行い、契約時に齟齬が生じないよう努力する必要が求められます。
とはいえ、未経験者では契約内容のどこに注意すべきかが明白でない事が殆どです。
本来契約というものは、お互いが契約内容を的確に把握した上での締結をする事が求められるのに、その判断ができないのですから、制度上大きな問題点だと言わざるを得ません。
したがって、未経験のフランチャイジーが経験豊富なフランチャイザーと対等に渡り合う為には、事前の知識習得が必要不可欠だと言えるでしょう。
ここで5つのポイントを紹介しますので、そちらについて十分な検討を行う事をオススメします。
1.最も重要な要素は何といってもロイヤリティ
フランチャイズ契約に欠かせない存在が、ロイヤリティです。
売上金の何%かをフランチャイザーの取り分として納付する事になるのですが、このロイヤリティの計算方法は企業によってまちまちとなっています。
総利益の一定割合とする企業もあれば、ロスや原価を考慮した金額で計算する企業もありますし、固定金額を納める形の契約も存在します。特に割合の計算方法においてトラブルが起きやすいので、よく確認を行う事が求められます。
2.テリトリー権についても留意が必要です
次に経営に直結する問題が、テリトリー権に関わる規定となります。
出店したお店から一定距離に系列店を開かせない権利となりますが、テリトリー権を認めない契約も決して珍しくありません。
せっかく経営が安定しているのに、付近に直営店を出店されてはたまりません。テリトリーが保証されているか否かは、必ず確認すべき留意事項だと言えます。
3.安易な売上げ予測を鵜呑みにしない
フランチャイザー側の提案広告に必ず記載されている項目が、収益額のモデルケースです。
いずれも魅力的なモデルケースばかりなのですが、あくまでこれらは予想金額や成功事例のみを掲載している事を忘れてはいけません。立地や環境にも大きく左右される為、頭から鵜呑みにする事は非常にリスキーだと言えます。
4.負担費用を明確に
出店時の費用についても必ず明確にする必要があります。
開業にあたってはロイヤリティだけでなく、店舗や敷地の用意から店内設備の購入やリース契約まで様々なコストが求められます。費用見積もりのモデルケースでは、これらのコストの記載を省いた宣伝が行われる事も珍しくありませんから、注意が必要です。
5.オープンアカウントに注意
フランチャイズ契約で、契約維持に必要な資金に対して過不足が発生した場合、自動で貸付が行われる制度が、このオープンアカウントと呼ばれる制度です。
資金不足が生じても経営維持が可能な便利な制度ですが、知らぬ間に債務を背負ってしまう形にもなってしまいます。
廃業時の負担となりやすい制度ですから、撤退を前提に契約する場合は必ず確認を行う必要があるでしょう。