ブームやトレンドといった時流に乗ったビジネスは、いとも簡単に収益を上げる事ができる魅力的な商材です。
ところが、ブームが去った後の事を考えずに開業してしまうと、取り返しのつかない事になってしまいますから注意が必要です。
そのトレンドはずっと続くのか?
最初に理解しておきたいポイントが、流行には一過性のものと、スタンダート化し定着して行くタイプのものが存在する点です。
今でこそ当たり前の存在となっているスマートフォンやハイブリッドカーですが、これらの商品も当初は一時的な流行に過ぎないと見る意見は決して珍しくありませんでした。
ところが、これら二つの製品は見事ブームを乗り切り、現在では生活になくてはならない商品としてスタンダート化する事に成功しています。
また、古い話を例えにあげるならば、江戸時代において蕎麦が若者や飛脚のブームとして登場しました。
蕎麦の起源は諸説ありますが、市民の多くは麺料理と言えばうどんしか知らないばかりで、蕎麦は若者のチャラチャラした食品だと認識されていたようです。
ところが、皆さんご存知の通り、現代社会ではどちらも日本文化の食品として愛され続けています。蕎麦はブームに乗り、見事スタンダート化に成功した料理だと言えるでしょう。
ですがその反面、一時的な流行として登場した携帯端末のゲーム機や珍しい色のたい焼きなどは、ある期間はヒットしたものの、社会の根底から求められるような製品では無かった為に、あっさりと衰退してしまいました。
これから開業しようと志すならば、自身の扱う商品が一体どちらなのかを冷静に分析する必要があります。
フランチャイズの契約期間や違約金には要注意
前項で一過性のものと定着していくものがあると述べましたが、なにも一過性の製品が全て悪だと言っている訳ではありません。
一過性の商品であってもトレンドの流れを見極める事で、適切な時期だけ開業して大きな収益を上げ、廃れる前にお店を畳むというテクニックも商業においては決して悪い手法とは言えないからです。
ところが、フランチャイズには契約期間の縛りが存在します。
完全に自前で用意したお店は、希望すればいつでも閉店を決める事ができますが、フランチャイズは期間満了まで原則として解約する事ができません。無理に解約をしようとすると、違約金や損害賠償を請求されてしまうでしょう。
その為、一時的なブームに乗って開業をしてもブームが去ったあとは収益が上がらず、かといって辞めるにも辞められず、結局債務整理の手続きを踏まなくてはならなくなる事例も存在します。
メディアに取り上げられる程の飲食店であっても、その多くが数年後には倒産している事実を忘れてはなりません。
まとめ
ブームに乗ることそのものは悪いものではありません。ですが、それは多くの人が考えるよりもずっと綿密な事業計画が必要とされます。
安易に開業だけを決めてしまうのではなく、商品の性質に合わせた柔軟な経営スキルが求められます。